2018年5月17日木曜日

コンテンポラリーミュージックユニットAffine始めました.

Twitterではちょこちょこ言っていますが,今年の初めから,これまでずっと活動してきたmacaroomに加え,「Affine(アファイン)」というユニットを始めました.macaroomでは主にポップな歌モノをやっていますが,こちらはコンテンポラリーミュージック.完全なる実験音楽です.
macaroomが去年行った"Cage Out"という一連の企画で出会ったSaKi 汐音さん(名前暫定)という作曲家(?)にお誘いいただきまして始めることになりました.始めはこんなにがっつりやるつもりではなかったのですが,以前から興味のあった実験音楽や,本格的なライブ・エレクトロニクスの実践ができると思い,また,相方の常人離れした感性に惹かれ,何か面白いことができるのではないかと思い,今は,このユニットで私のできるだけのことをやってみようという気持ちになっています.

そんなAffineの頭のおかしい相方が,Affineのことを記録するブログを始めました.

http://affinedrawing.blogspot.jp/

ブログを始める際,「私が手間をとってブログをやるのだからお前も同じだけの手間を取れ」という非常に日本人的な発想丸出しの要望が来たので(頭おかしいくせにこういう時だけ日本人根性丸出し),このブログにたまにAffineのことも書いていきます.(複数ブログをやるのはかったるい)

ユニット名「Affine」は,私が提案しました.ユニット名について,この一案だけ出て,他に対案が全く出なかった(主宰者からも出ないという有様)ので,無投票当選となりました.

Affine.数学や工学に詳しい人であれば馴染み深い言葉です.画像処理の基本・アフィン変換のアフィンです.しかし,古い教科書は参考書では,このAffineをアファインと読む例もあり,我々はその読み方を採用することにしました.それについて,深い理由はなく,2音節より3音節の方が良いかなと思っただけです.

Affineとは,非常に基礎的なベクトルの演算だけで幾何学を構築した空間のことです.
多くの場合,幾何学というと,あの直線の長さがどうこう,ここの角度が云々と,その空間にあるものの「形」をベースにして議論がされます.一方Affine幾何学の場合,空間にあるものの形を考えることなく,ベクトルとその操作だけで幾何学の基本的な性質を構築します.逆に言うと,そのような抽象的な幾何学で明らかになった諸性質を実際的な空間で議論し直すのが,いわゆる通常の幾何学と言えるかもしれません.(この理解は数弱の私の理解であり,非常に信憑性が薄いです

最初は,"Orthogonal" というユニット名を考えました.Orthogonalとは直交という意味です.直交とは,ある直線と別の直線が90度に交わっていること.

2つのベクトルが直交している時,その内積が0になることは数学の常識です.ある量とある量が独立して変化する時,それらの量は直交していると言えます.例えば,バスに乗っている時の心拍数と,その人の移動する速さは直交しています.バスが早く走ろうがゆっくり走ろうが,その人は座っているだけであり,運動による心拍数の上下がないからです.しかし,歩きまたは走って移動している時の心拍数と,その人の移動する速さは,直交していない場合が多いでしょう.ゆっくり歩いている時よりも早く走っている時の方が心拍数が上がると考えられ,移動する速さの上昇に応じて心拍数が上がっていきます.このような関係の場合,それらの量は直交ではありません.

直交について,図で描くと,このようになるでしょうか?


上の図は,x軸とy軸が直交している場合です.(0,2)にあった点Pがx軸に平行に移動する場合,どこまで移動してもyの値は変わりません.yの値に関係なく,xの値を変化させ雨事ができるわけです.


しかし,x軸とy軸が直交していない場合,点Pをx軸に平行に移動すると,yの値も変わっていることがわかります.(すごく微妙な図になってしまいましたね・・・

このように,互いに作用せずに変化する量を扱えるという性質が直交した座標系にはあるのです.

ちなみに,ステレオのアナログレコードは,左右チャネルの振動がそれぞれ直角になるようなVの字に刻まれており,これによって,お互いの影響を受けず,2チャネルの振動を1本の針が読み取ることができるのです.


さて,何故ユニット名を直交を意味するOrthogonalにしようと思ったかというと,ユニット開始時点のスタイルとして想像していた,互いに互いのやっていることは気にせず,即興的にパフォーマンスしていくというスタイルが,まさに直交系のイメージに重なったからです.(※最近は互いに無干渉だと表現が発展しないということが分かってきたので,徐々に互いに干渉するようにしています.)

しかし,直交はともかく,Orthogonalは言い慣れないし,変な場所にアクセントがあるので,あんまり語感が気に入らないということで,類似の良い単語は無いかと考え,Affineにしました.

ですから,私個人としては,ユニット名はOrthogonalにしたかったのであり,Affineというユニット名自体には,殆ど意味は込められていません.

今後とも当ブログ・macaroom共々Affineもよろしくお願いいたします.

どんなユニットなのか書くのを忘れていました.長くなるので書きませんが,気になる方は,Affineが企画する最初のイベントにぜひお越しください.


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